決算が赤字の場合でも法人税は払わなければいけないの?
経営をして初めて決算が赤字になると、今まで収めてきた税金は継続して収める必要があるのか気になるところです。
この記事では、決算が赤字でも法人税は払わなければいけないのかという疑問に対して解説します。
決算が赤字でも法人税は支払うの?
法人税とは、会社の所得に対してかかる税金です。
決算が赤字の場合は所得がゼロであるため、原則として課税されないので法人税を支払う必要はありません。
ただし、注意点が2つあります。
- 法人税の申告は義務なので赤字でも必ず申告しなければならないこと
- 会計上は赤字でも税務会計上で黒字の場合は法人税が発生すること
赤字でも支払う必要のある税金
決算が赤字の場合は法人税を支払う必要はありませんが、赤字でも支払いの義務がある税金をみていきましょう。
消費税
消費税は消費者から預かっている税金であり、会社の業績に関係なく納税する義務があります。
ただし、年商1,000万円以下の免税事業者になると消費税を納税する義務は免除されます。
法人住民税の均等割り
法人住民税の均等割りとは、法人が所在する自治体に納付する税金であり、「法人税制」と「均等割り」で構成されています。
法人税制は法人の所得に対して課税されるため、赤字の場合は納付しません。
しかし、均等割りは地域の行政サービスなどを利用していることに対して課せられる税金であり、各自治体や会社の規模によって納税額は異なりますが赤字でも納付する必要があります。
一部の法人事業税
法人事業税とは、会社につながる道路や上下水道などの行政サービスを利用する代わりに都道府県に収める税金です。
資本金が1億円以下の会社は決算が赤字だと納税は免除されます。
しかし、資本金が1億円以上の会社は「外形標準課税(付加価値割+資本割)」を納税しなければなりません。
付加価値割とは、従業員への給与などや利子、賃貸料の合計額と損益の合計額であり、合計額の1.2%課税されます。
一方、資本割とは会社の資本金などの額を課税標準として計算され、資本金などの額に対して0.5%の税金を課せられるので、どちらも納めなければなりません。
ただし、今後に関して注意点があります。
以下に該当する場合は、資本金が1億円以下の場合でも外形標準課税の対象に含まれます。
- 令和7年4月1日より、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人であって、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるもの
- 令和8年4月1日より、資本金と資本剰余金の合計額が50億円を超える法人等の100%子法人等のうち、資本金と資本剰余金の合計額等が2億円を超えるもの
(出典:総務省 法人事業税)
まとめ
今回は、決算が赤字でも法人税を支払うのかという疑問に対して解説しました。
決算が赤字といっても、税務会計上で赤字と黒字で法人税の支払いは分かれます。
赤字の場合は免除されますが、黒字の場合は支払います。
また、赤字決算でも支払い義務のある税金は発生するので注意してください。
法人税などでお困りの方は、税金の専門家である税理士にご相談することをおすすめします。
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浅野 泰生
Asano Yasuo / 税理士
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- 所属団体
-
- 東京税理士会(149910)
- 経歴
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- 大学卒業後、一部上場の飲料メーカーに営業職として入社
- 大手税理士法人で会計実務に従事
- 2006年 中小企業の経営支援に特化した業務システム開発会社に入社
- 2014年 血縁関係のない創業者からの経営承継により代表取締役社長に就任
- 2015年 引き継いだ当初赤字続きだった同社を就任初年度に黒字化
- 2017年 新規事業を展開するための戦略子会社を設立、設立2年目で単年黒字化に成功
- 2018年 就任から在任期間中5期連続で増収を達成
- 2019年 後継者支援に専念すべく株式会社think shiftを創立
事務所概要
事務所名 | タックスオフィス think plus |
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代表者 | 浅野 泰生(あさの やすお) |
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