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個人事業主が税務調査に選ばれる理由と事前にできる5つの対策

税務調査は「誰でも来る可能性がある」

確定申告をきちんとしているから大丈夫、と思っている個人事業主やフリーランスの方は多いと思います。しかし税務調査は、正しく申告している人にも来ることがあります。国税庁の統計によると、個人事業主への実地調査は年間約4〜5万件。決して他人事ではありません。

 

では税務署はどのようにして調査対象を選んでいるのでしょうか。そして選ばれないためにどんな対策が取れるのでしょうか。この記事では税務調査に選ばれる主な理由と、事前にできる具体的な対策を解説します。

税務調査に選ばれる6つの理由

理由1:売上や経費に不自然な変動がある

税務署はKSK(国税総合管理システム)を使い、過去数年分の申告データを比較しています。前年と比べて売上が急減していたり、経費だけが突然増えていたりすると「何か異常がある」とフラグが立ちます。

 

特に注意が必要なのは、売上が1000万円を少し下回る申告です。消費税の課税事業者になる基準が1000万円であるため、その直下に売上が集中しているケースは税務署から見て不自然に映ります。

理由2:同業他社と比べて利益率が低い

税務署は業種ごとの平均的な利益率データを持っています。飲食業・建設業・IT系フリーランスなど、業種別の標準的な利益率の基準があり、これを大幅に下回る申告は調査対象になりやすいです。

 

「うちは経費が多いから利益率が低い」という場合でも、その経費の内訳が説明できる状態になっていないと調査時に苦労します。

理由3:現金商売である

飲食店・美容室・整体院・スナック・キャバクラなど、現金取引が多い業種は税務署が重点的に調査する対象として知られています。現金は証拠が残りにくく、売上を一部除外しやすい性質があるためです。

 

POSレジや売上日報を正確に管理していない場合、税務調査の際に推計課税が適用されるリスクがあります。

理由4:申告額と資産状況が合わない

申告所得が少ないにもかかわらず、高級車の購入や不動産取得、海外旅行の頻度が高いといった場合、税務署のアンテナに引っかかります。「この収入でこの生活水準はおかしい」という矛盾が調査のきっかけになります。

理由5:情報提供・内部告発がある

元従業員・元取引先・元配偶者などからの内部告発で税務調査が始まるケースがあります。「誰も知らない」と思っていても、自分の収入状況を知っている人間は必ずいます。

理由6:無申告・申告漏れが続いている

数年間申告していない、または申告はしているが一部の収入を漏らしているケースは、KSKの照合で発覚するリスクが年々高まっています。支払調書・銀行口座情報・マイナンバーとの連携により、税務署が把握できる情報の精度は上がり続けています。

事前にできる5つの対策

対策1:帳簿と証憑を整理する

税務調査で最も重要なのが帳簿と領収書・請求書などの証憑です。日頃から整理しておくことで、調査が来ても慌てずに対応できます。クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を活用して日々の記帳を習慣化することをおすすめします。

対策2:事業用口座と個人用口座を分ける

個人口座に事業収入が混在している状態は、税務調査の際に「売上除外では?」と疑われやすくなります。事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意しておくだけで、調査対応が大幅に楽になります。

対策3:経費の根拠を説明できるようにしておく

交際費・旅費・車両費など、プライベートと混同しやすい経費については、いつ・誰と・何のためという記録を残しておきましょう。金額が大きい経費ほど、調査時に説明を求められます。

対策4:売上1000万円前後の申告に注意する

消費税の課税事業者判定基準である1000万円の前後は、税務署が特に注目します。売上が1000万円を少し下回る状態が続いている場合は、顧問税理士と相談して適切な申告をするようにしましょう。

対策5:不安があれば早めに専門家へ相談する

「過去の申告に不安がある」「経費の処理が曖昧だった」という場合は、税務調査が来る前に専門家へ相談することが最大のリスク対策になります。自主的に修正申告をすることで、ペナルティを大幅に軽減できる可能性があります。

まとめ

税務調査は突然やってきます。「自分は大丈夫」という思い込みが、いざ調査が来たときの対応を遅らせる最大の原因です。日頃から帳簿を整理し、不安があれば早めに動くことが、結果的に最も少ないダメージで乗り越える方法です。

 

 

 

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Asano Yasuo / 税理士

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所属団体
  • 東京税理士会(149910)
経歴
  • 大学卒業後、一部上場の飲料メーカーに営業職として入社
  • 大手税理士法人で会計実務に従事
  • 2006年 中小企業の経営支援に特化した業務システム開発会社に入社
  • 2014年 血縁関係のない創業者からの経営承継により代表取締役社長に就任
  • 2015年 引き継いだ当初赤字続きだった同社を就任初年度に黒字化
  • 2017年 新規事業を展開するための戦略子会社を設立、設立2年目で単年黒字化に成功
  • 2018年 就任から在任期間中5期連続で増収を達成
  • 2019年 後継者支援に専念すべく株式会社think shiftを創立

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